愛されるチート、RX
『仮面ライダーBLACK RX』(以下RX)。
言わずと知れた『仮面ライダー』シリーズの第10作目であり、
前作『仮面ライダーBLACK』の続編だ。
初めて武器を携行し、初めて専用車を所持し、初めて別形態への
フォームチェンジを獲得したRXは、区分こそ昭和だが、現行の
平成ライダーシリーズのさきがけと言える作品だ。
そして同じ主人公で改題&継続した仮面ライダーはこの『RX』だけ。
これは前作『BLACK』の作品としての高い完成度と主人公・南光太郎を
演じた倉田てつをさんの人気があいまっての高評価の結果。
今の平成ライダーでは販売戦略の都合上、先ず有り得ないことだ。
今後の作品がどれだけ人気を出しても2年ぶっ続けは確実に無いだろう。
(電王みたいに映画でならあるかも?)
一応、視聴率は当時にしては決して高い水準にあった訳では無い。だが
正式な続編として作られたRXは数値以上の人気を得ていた作品なのだ。
そしてRXと言えば、何と言ってもその“チートっぷり”が話題になる。
仮面ライダーを良く知らない人でも
「RXっていう仮面ライダーが最強」
というような意見を耳にしたことがあるんじゃないだろうか。
どんな作品でも最強談議になると必ずこじれるので今回は言及しないが
詳しくない人にも最強と思わせるほど、RXは色々とすごい。
とりあえず、下の画像(※拾い物)を見てもらおう。
これは『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』
の一幕。御覧の通り、RXは他の3人(左から2号、1号、カブト)が
吹き飛ばされる中、敵の攻撃を全て捌き切り、あまつさえその武器を
斬り飛ばして攻撃手段を奪い、更に懐に飛び込んで一閃している。
どうです、この過剰なまでの強さの表現。
「主役は俺だ」と言わんばかりの無双っぷりだが、RXはこの作品では
あくまでもゲストです。
これだけでもRXが制作側に優遇されていることが理解できるだろう。
いや、むしろ公式も「RXならこれくらいできる」と考えてこのような
演出にしたのかもしれない。
このチートっぷりによる強烈なインパクトがRXの魅力だ。
普通「チート」という言葉はあまり好意的な表現としては使われないことが
多いだろう。だがRXはチートであるからこそRXなのだ!
ちなみにこの直後、この敵は1号・2号のライダーダブルキックで
清々しいほどに吹っ飛ばされて敗北する。
トドメは先輩に譲る、出来た御人である。